メジャーリーグ選手会と日本のプロ野球選手会が起こしたストライキ

炎のバット

労働者の権利を守る労働組合ですが、野球界では選手会がその役割を果たしています。メジャーリーグの選手会は世界最強の労働組合といわれ、1994年8月から1995年4月にかけて大規模なストライキをおこないました。この時期、各選手の年棒が膨れ上がり球団の人材費増大が問題視されました。

小規模球団の経営が圧迫され、お金がある球団にスター選手が流れ込んで球団間の戦力格差に繋がったのです。
そして、経営者側が、所属する選手に支払う年俸をリーグ全体の収入に基づいて上限金額を調整するという、サラリーキャップ制度の導入を提案しました。

選手会側は選手の年俸が自動的に決まるのはおかしいと反発して提案を拒否。経営者側も引かずに両者は対立してしまいます。

結果、前代未聞の大ストライキに発展してしまったのです。結局一応は両者が歩み寄った形で解決しましたが、選手会の労働組合としての強さを証明しました。

これほどの規模ではありませんが、日本のプロ野球でも選手会によるストライキが2004年9月18日と19日に起きています。事の発端は2004年6月に起きた近鉄とオリックスの合併問題でした。これに両球団の選手たちが猛反発したのです。

しかも、7月の臨時のオーナー会議でダイエーとロッテの合併問題も発覚し、12球団の2リーグ制から10球団による1リーグ制に移行する構想があるとわかり大騒ぎになりました。追い打ちをかけるようにあるオーナーが「たかが選手が!」という発言をしてしまい、収拾がつかない状態に。選手会側は合併を1年凍結するか、12球団制の維持に向けた翌年の新規参入の確約を求めました。
これについて経営者側と2度の交渉をおこないましたが、認められず結局9月18日と19日にストライキをすることになったのです。

最終的にはライブドアと楽天が球界への参入を表明し、ダイエーとロッテの合併も消滅して12球団制が維持され話はまとまりました。

ともあれ、メジャーリーグファンやプロ野球ファンが野球を楽しめているのには、こうした選手会の苦労があることを忘れてはいけませんね。